開発責任者が語る、年間2,000箇所の発電所開発を実現する「仕組み」と「対話」の全貌 ― 前例なき挑戦の裏側
再エネ発電所 開発・管理部
部長
kamata takahisa
鎌田 隆久
はじめに
鎌田さん:新卒で入社した大手鉄道グループでは、不動産開発部門に所属していました。不動産開発の仕事自体は非常に楽しかったのですが、当時の会社は総合職採用で、将来グループ内のどの会社でどのような仕事をするか分からないという側面がありました。
自分のキャリアは自分で選び、専門性を高めていきたいという思いが強くなったのが、転職を考えた一つのきっかけです。
また、仕事内容に関しても、人口が減少していく日本で新しい建物を次々と作っていくことに、ふと疑問を感じることがありました。不動産開発と親和性があり、これまでの経験を活かしながら、より将来の社会のためになる仕事は何かと考えたとき、再生可能エネルギーの発電所開発という分野に行き着きました。
鎌田さん:理由は大きく3つあります。
1つ目は、「スタートアップで働いてみたかった」ということです。前職の大手再生可能エネルギー事業者は、私が入社した時点で既に150人ほどの規模で、退職時には400人を超える組織になっていました。初期メンバーの方々から「大変だったけど、皆でわちゃわちゃしながら会社を創り上げていくのが楽しかった」という話を聞くうちに、自分もそうした創業期の環境に身を置いてみたいという気持ちが芽生えました。
CECに転職した2022年当時、再エネ業界で後発ながら勢いのあるスタートアップは稀有な存在で、このチャンスを逃したくないと思いました。
2つ目は、「FIT制度(固定価格買取制度)に依存しないビジネスに挑戦したかった」からです。前職では主に風力発電所の開発を手がけていましたが、一つのプロジェクトが運転開始に至るまで7年から10年かかることも珍しくありません。
FIT制度が将来的に終了することは分かっていましたから、次のキャリアを考えた時に、国の補助金に頼らない「Non-FIT」という新しいビジネスモデルにいち早く取り組んでいたCECは非常に魅力的でした。
そして3つ目は、「組織マネジメントに挑戦したかった」という思いです。将来的に経営にも関わっていきたいと考えていたので、スタートアップに入ることで、より早期に責任あるポジションで組織を率いる経験が積めるのではないかと考えました。
鎌田さん:部のミッションは大きく2つです。1つは、会社の目標である発電所の開発数を達成すること。そしてもう1つは、完成した発電所を安定的に稼働させ、お客様に電気と環境価値を確実にお届けすることです。
具体的な目標で言うと、年間で200MW、箇所数にして約2,000箇所の発電所を開発していく計画です。当社の累計発電所数が現在約2,400箇所ですから、これまでの累計に近い数を1年で作り上げていくイメージです。まさに「倍々ゲーム」で事業がスケールしています。
鎌田さん:開発の初期段階から建設、資金調達、稼働まで、様々なフェーズの案件が常に約500件ほど同時並行で動いています。
鎌田さん:個別の案件で難航するというよりは、この約500件のプロジェクトをいかに効率的かつ正確に回していくか、その「仕組み」を構築し続けることが最大の挑戦です。
我々のビジネスモデルは、開発自体をパートナー企業に担っていただき、我々はその進捗を管理する形を取っています。そのため、情報共有の正確性とスピードが生命線です。もしメールやExcelでこれを管理しようとすれば、どの情報が最新で、どのような経緯で意思決定されたのか、すぐに追えなくなってしまいます。
そこで我々は、2022年から「CEC-Cloud®」という業務管理システムを自社で開発・運用しています。発電所ごとの資料やパートナー企業とのやり取りを全てこのDXプラットフォーム上で一元管理することで、日本全国で同時に進んでいる約500件のプロジェクトの状況について正確に把握できています。
最近、ある発電所で故障がありましたが、その際も過去の資料や議論の経緯を迅速に遡って確認し、他の全発電所への影響を点検することができました。社内にDXの責任者やエンジニアがいて、システムとオペレーションを融合してアジャイルに改善を重ねられることも大きな強みです。
鎌田さん:はい。最初は慣れない部分でご苦労をおかけすることもありますが、結果的に「CEC-Cloud®を見れば全て分かるので楽になった」というお声をいただいています。私自身、前職では開発パートナー側の立場で、許認可の取得や地権者様との交渉など、現場の業務を経験してきました。
だからこそ、発電所開発会社の方々が何に困り、どんな情報が必要かを想像しながら、彼らの業務が効率化されるような「勘所」を押さえた仕組みを設計できたのだと思います。
鎌田さん:これは非常に重要なポイントです。私が入社した2022年当初、低圧のNon-FIT発電所を束ねてプロジェクトファイナンスを組成した実績は、おそらく日本国内にはありませんでした。金融機関の方々も、どこにリスクがあり、どう評価すればよいか分からない、まさに手探りの状態だったのです。
そこで私たちは、まず金融機関との徹底的な対話から始めました。正直、最初は「本当に前例のないこのモデルで融資ができるのか」という厳しい視線を何度も感じました。それでも、彼らが何を懸念しているのか、一つひとつ質疑応答を重ねて解消していきました。
大規模プロジェクトファイナンスの経験者が社内にいたことも大きく、その「常識」と、低圧発電所開発の現場の「常識」をすり合わせ、両者が納得できる基準や仕様を一緒に作り上げていきました。
例えば、通常は一つひとつの案件を精査しますが、数百の低圧案件でそれをやるのは現実的ではありません。そこで、発電所の仕様や契約を標準化し、その「基準」に対してデューデリジェンス(融資判断のための包括的価値・リスク精査)をしていただく形を構築しました。
ある意味、金融機関からのフィードバックによって、我々のビジネスモデルが洗練されていったと言えます。このプロセスを通じて築いた信頼関係が、我々の最大の強みです。
鎌田さん:事業がどんどん拡大しているので、新しく入っていただいた方には、なるべく早期に責任ある仕事をお任せしたいと考えています。特に意識しているのは、ご本人のキャリアプランを聞いた上で、得意なこと以上に「やりたいこと」をやってもらえるようにアサインすることです。
もちろん、未経験の方であれば、経験者とペアを組んで少しずつ範囲を広げていくなど、サポート体制は万全です。資格取得やセミナー参加の費用も会社が負担し、成長を積極的に支援しています。
鎌田さん:「自分で意思決定できる人」ですね。日々の業務の中で、完璧な正解がない問いに対して「自分はこうすべきだと思う」という仮説を持ち、まず決断してみる。その上で周囲に提案し、もし違えばすぐに軌道修正する。このサイクルを高速で回せる人は、キャッチアップが非常に早いです。意思決定の経験を積み重ねられる人ほど、成長の角度も急になります。
鎌田さん:会社としては、「日本で一番選ばれる、脱炭素のリーディングカンパニーへ。」というビジョンを掲げました。その実現のため、まずは現在のNon-FIT発電所開発の仕組みをより盤石なものにし、自社での開発を加速させるのはもちろん、この仕組みを広く展開することで、日本の脱炭素をリードする存在になりたいと考えています。
私個人としては、現在、執行役員という立場で事業を見ていますが、会社が上場を目指す中で、より経営的な経験を積んでいきたいです。プロジェクトマネジメントの経験は積んできましたが、会社全体の舵取りに関わる意思決定の経験は、まだまだ足りていないと認識しています。
これから訪れるであろう数々の困難な局面で、一つひとつ覚悟を持って意思決定をしていくことで、経営者としての実力をつけ、最終的には会社経営そのものを担える人材になりたいです。
鎌田さん:今の日本経済において、脱炭素ほど未来に向けた前向きなテーマはないと感じています。その中でもCECは、制度や補助金に頼らず、独自のビジネスモデルでユニークなポジションを築いている稀有な会社です。
そこには後ろめたさが一切なく、純粋に社会貢献につながる仕事に、熱量を持って取り組める環境があります。
「こんなことをやってみたい」という強い意思さえあれば、会社の急成長をエンジンに、様々な挑戦ができる機会がここにあります。私自身、この会社を選んでからの3年間は非常に濃密で、キャリアが大きく広がったと実感しています。
もしあなたが、自身の成長と社会への貢献を両立させたいと本気で願うなら、これほど面白い環境はないはずです。ぜひ一緒に、会社を、そして業界を、大きくしていきましょう。
鎌田 隆久(かまた たかひさ)
/再エネ発電所 開発・管理部 部長
再エネ発電所 開発・管理部
部長
2015年に大手鉄道グループの不動産事業部門へ入社し、資産10億円超の富裕層・法人オーナー向けに再開発やリノベーション、売買仲介を担当。複数の商業ビル・耐震改修案件をプロジェクトマネジャーとして完遂した後、2018年からは大手再生可能エネルギー事業者で太陽光・陸上風力・洋上風力の発電所開発に従事。開発許認可、EPC/PPA契約、プロジェクトファイナンスを一貫してリードし、累計150MW超の案件を運転開始へ導く。
2022年、クリーンエナジーコネクトに参画。現在は、全国2,400箇所以上のNon-FIT分散型発電所を統括し、開発・建設・O&Mの全工程を指揮している。